犬はなぜ噛みつくの?

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犬に噛まれて死傷してしまった事件、たびたびニュースで取り上げられています。噛まれた相手が犬だったり、人だったりしますが恐ろしいことですね。

ニュースになるほどではなくても、飼い犬に手をガブッとやられたことのある人はけっこういるかと思います。

犬が噛みつくには理由があるはず。それをきちんと理解してあげないと噛みグセを治すことはできません。


なぜ噛みつくのだろう

犬が人間よりも上の立場だとカン違いしているからだという説もあります。甘やかされてわがままに育ち、ちょっとでも気に入らないことがあるとガブッとやるのだとか。

その場合は犬と人間が主従関係を築くことが重要で、力でそれを教えようとするしつけ方法もあるようですが、現在ではその考え方には否定的な意見が多いです。

そもそも犬と人間は種類のまったく異なる動物なので立場が上、下という問題は起きないのだそう。

では何が問題なのか。いろいろなケースがあると思うので必ずそうとはもちろん言い切れませんが、私は下記の2つが大きな理由ではないかと思います。

[icon image="check1-p"]精神的ダメージ
[icon image="check1-p"]人間が気持ちを理解してあげていない

精神的ダメージ

[icon image="check3-b"]生後2ヶ月より前に母犬や兄弟犬から引き離された
[icon image="check3-b"]体罰や虐待を受けた
[icon image="check3-b"]長時間叱られた経験がある
[icon image="check3-b"]留守番が多くさみしい思いをしている
[icon image="check3-b"]無視された

など、精神的にダメージを受けると心にひずみができてしまうことも。人間でもそうですよね、辛い経験がトラウマになったりして心に大きな傷を作ってしまうことはよくあります。それは犬でも同じこと。犬も精神疾患を患うことがわかっています。

またストレスが多い犬はかみつきやすい傾向があります。きびしいしつけをされている、自由がほとんどない環境で生活している、運動不足など。ストレスを常に抱えている犬はちょっとしたことにも反応して噛みついてしまうんです。

友人の実家でダルメシアンを飼っていました。主に友人のお父さんがお世話をしていたそうですが、噛みグセのある犬だったんです。お父さんでさえもたびたび噛まれ、何針もぬう大ケガを負っていました。救急車を呼ぶほどの騒ぎだったんです。

先日16歳で死んでしまいましたが、今思えばしつけがずいぶん厳しかったですね。体罰もあったかもしれません。

ダルメシアンはたくさんの運動をさせないといけない犬種ですが、お父さんも高齢でしたので散歩も十分ではなかったはず。そんなことも重なって、きっと相当なストレスをためていたのかもしれません。それが噛みグセにつながったのでしょう。

それから、最近は早い時期に母犬からひきはなされ、人工的に育てられる子犬が多いですね。生後3~12週齢は社会化の感受期といって、いろいろなことを学ばなければならない時期なんです。

それなのに他の犬や人間と関わりを十分にもてないとコミュニケーション不足になったり、病的な恐怖心を持つようになったり、脳の発育にも影響がでます

人間が犬の気持ちをわかっていない

犬が「やめて」と思ってあらゆるサインを体全体で示しているのに、それを人間がわかってあげられず、ついには犬が噛むという行動にでるということがあります。

例えば、いきなり正面から近づいていって頭を上からなでる、犬の体に手を巻きつけて抱きしめる、マズルをおさえるなどしていませんか。

そうされた犬は顔をそむけたり、まばたきをしたり、舌を出したりして「やめて~」のサインを出します。気づいていましたか?人間側からしたら可愛がっているつもりでも、犬にとっては怖いだけということも。

家族の中でなぜか母だけが噛まれる、なんてこともありますね。母がとくに虐待をしているとか体罰を与えたわけではないのに変だなと思ったら、母の動きを観察してみましょう。

急に動き出す、犬の目の前に突然手を出すなどしていませんか。人間がなにげなくしている動作が犬にとっては脅威なんです。身を守るためにおもわず噛んでしまうのかもしれません。

噛みグセを治すにはどうしたらいいの?

成犬が本気で噛んでくる場合は、体罰を与える、叱る、無視をするなどのしつけ方法では根本的な解決にはなりません。ヘタすると悪化することも。

まずは精神的なダメージがないか、ストレスがないかをチェックしましょう。精神疾患の場合はしつけだけでよくなるわけではありません。それなりの専門家にお願いしたほうがいいかもしれませんね。

東京大学の動物医療センター>>>犬や猫の行動診療をしてくれます。行動修正法や薬物療法、外科的療法などを組み合わせて治療が行われます。一度愛犬をつれて東京大学にいかなくてはなりません。

日本獣医動物行動研究会>>>行動診療をしてくれる獣医師を見つけることができます。

子犬の時のしつけにかかっている

やさしい母犬から適度に厳しくしつけられた子犬は人間ともうまく生活していくことができるという研究結果があります。厳しすぎてもだめですし、甘やかしすぎてもダメなんです。

最近は産まれてまもなく母犬から引き離されてしまうことが多いので、人が責任をもって母犬の代わりをしなければなりません。

子犬がじゃれている時に飼い主さんの手を噛むことがあります。本気で噛んでいるわけではないし、かわいいからついつい許してしまう飼い主さんも多いですよね。でもここはきちんと「手は噛んではいけないもの」ということを教えましょう。

噛まれたら「痛い!」と言って手を後ろに隠します。そしてまた手を差し伸べて、噛まなかったらほめる、をくりかえします。体罰やきつく叱るなどは絶対にしないでくださいね。そのことがトラウマになってよけい噛みつく犬になってしまうこともあります。

「ビターアップル」などの苦いスプレーを手に吹き付けておくのもいいかもしれませんね。

甘噛であっても許してはだめ。そのうち治るだろうと思って甘やかしていくと成犬になっても噛みつき、力も強くなってきて怖い・・・となりかねません。

3~12週齢(個体差もありますが・・・)が社会化期とよばれ、この時期にさまざまな刺激を受けることで、体も心も健全に成長することができます。散歩はワクチン接種が済んでからと言われますが、他の犬と触れ合うことのない安全な場所であれば散歩させてもいいと思います。庭でも十分です。

時間をかけて解決していくしかありません。

体罰や虐待が原因で精神疾患をわずらい、それが噛みグセとなって現れている場合。厳しくしつけをしても治るはずがありませんね。専門の医師に診察、治療をお願いするほうがいいかもしれません。そして飼い主さんもいっしょに問題を考えないと、いくら犬だけを治療してもまた同じことの繰り返しになってしまいます。

噛みやすい犬種だから、気が強い性格の犬だから・・・と犬のせいにはしないでください。噛みつく犬にしてしまったのは人間の責任であることがほとんどなんです。

そして、一度犬を飼うと決めたからには最後まで責任を持ちましょう。「噛みつくから」という理由で殺処分だけはしないでください。




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